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名古屋高等裁判所金沢支部 昭和59年(く)3号 決定

主文

本件抗告を棄却する。

理由

本件抗告の趣意は、申立人名義の「即時抗告申立」及び「抗告」と題する書面記載のとおりであるから、これらを引用するが、要するに、申立人は同人に対する少年保護事件について昭和三四年四月一三日原裁判所がなした初等少年院送致決定(昭和三四年少第三〇四号窃盗保護事件)の取消を求めたのに、原裁判所が申立を却下したのは不当であるから、原決定を取消し、右保護処分の取消を求める、というにある。

そこで検討すると、原裁判所が申立人からの本件「再審請求」と題する申立を少年法二七条の二第一項に基づく保護処分の取消を求める趣旨であるとして審判したのは相当であると認められるところ、同法による保護処分の取消は、少年に対する保護処分が現に継続中であることを要するものであつて、記録によると本件は申立人に対する右の保護処分の執行が既に終了していることが明らかであるから、申立人に対する保護処分を取り消す余地はなく、申立人の本件申立を却下した原決定は、その理由を異にするが、結論において相当である。論旨は理由がない。

よつて、本件抗告は理由がないから、少年法三三条一項、少年審判規則五〇条によりこれを棄却することとし、主文のとおり決定する。

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